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レオナルド・ダ・ビンチについて アルフレッド・アドラーの見解(1)

レオナルド・ダ・ビンチという有名な画家について、その昔、精神分析家のフロイトが、ダ・ビンチの性的な特質について書いたエッセイがありました。

 

そのエッセイを読んだ、医師レイモンド・スタイツは、フロイトの見解に疑問を持ち、フロイトとアドラーの見解の相違を述べております。

 

基本的に、フロイトの人間性についての捉え方は、性的な関心に重点が置かれています。かつて、ダ・ビンチは同性愛者であったという説もあったようです。そこで、フロイトは4つの目を見張るダ・ビンチの人生に着目をいたしました。それは・・・

 

【フロイトの見解】

(1)卓越した研究家であったこと

(2)忍耐力の決如によって、多くの作品が完成されないままであったこと

(3)自分の作品を粗末に扱っていたということ

(4)一風変わった性的な関心を持ち続けていたこと、生涯独身であったこと

 

以上から、フロイトは、フロイトの考えであるエディプス・コンプレックスと、同性愛者である、という見解をバックアップする要因だと考えたようです。

 

ですが、アドラーは別な見解を持ちました。

 

【アドラーの見解(フロイトの番号に呼応)】

(2)作品が完成さえれないままで残されることは、しばしば見られる現象である。芸術家は自分の作品に興味をなくしてしまうと二度と手をつけなくなる傾向がある

(3)これはただ単に、ちょっとしたダ・ビンチのずさんさからきているのではないか?神経症質によく見られる。ダ・ビンチのきめ細かさや確実性は時にそういう行動を生む可能性がある

(4)同性愛者に対しての見解は、ほかにより簡潔で正確なものがあるであろう

 

と、アドラーは真っ向からフロイトの見解の相違を述べました。

 

つづく・・・