「しょせん、いい大学を出ていないから・・・」、「私は、しょせん~だから・・・」などと自分をおとしめていませんか?
アドラー心理学ではこれを自己軽蔑と呼んでいます。
自己軽蔑をする人は、「私って、この程度のもの・・・だからそれ以上は期待しないで」というように、防衛線を張っていると考えられます。うまくいなかいことに罪悪感を持ち、その責任から逃れるために、手段としての自己軽蔑を使用しているのにすぎません。
シカゴ・アドラー心理学大学院の創設者のひとりであり、代表的なアドレリアンであるバーナード・シャルマンはズバリこう言っています。「自己軽蔑を用いる人は、自分自身を非難し、責めるフリをしているに過ぎない。この自己軽蔑を軽視し、自己を過小評価する行為は、他者からの攻撃や罰から逃れる助けをするであろうから・・」と。
前回お話した躊躇(ちゅうちょ)する態度と同じです。例えば、何か仕事を依頼された時に、「一応、やってはみますが」と前置きする人がいます。これは「やってはみますが、うまくいくかどうかは期待しないでください」という意味です。結果、うまくいかないと、心のどこかで相手のせいにしてしまいます。「あなたが、そんな無理を強いるからだ」、「私に頼むからだ」と他者を軽蔑してしまうわけです。
自己軽蔑と他者への軽蔑傾向は表裏一体のものといえるでしょう。つまり、自己軽蔑は自分を小さくするだけではなく、相手を軽蔑していることになるのです。
アドラー心理学では、自分のライフタスク(人生上の課題)に直面した際に、「自分の性格(アドラー心理学ではライフスタイルと呼びます)は、~だから無理だ」といったように性格を言い訳にしない、向き合い方を変えて課題に挑むように促しています。
どれだけ他者を軽蔑し、自分自身を軽視したとしても、現実は変わりません。それより、いまある現実の課題に少しでも向き合うことが何より近道です。少しの勇気を持ってみましょう。
私は応援しています。大切なあなた自身のために。